どうしよう、社内でキーワードを取り合ってしまっている…~Webマーケティングブログ#11

こんにちは!冬に向けてブーツを買い過ぎた「はまち」です。
どれもデザインが少し違うのでついつい買ってしまいます。私が社内で1番冬を待ち遠しく思っている自負がありますね。

今回はリスティング広告のキーワードについてのお話。
その中でも度々起こるキーワードの重複についてお話していこうかと思います。

社内で同ジャンルの商品があるクライアント様は多くいらっしゃり、別々でLPを作成し広告配信を依頼してくださるパターンがあります。
そんな時にこの記事が役立つことを祈って…。

キーワードを重複したまま配信するとどうなるのか、その後の対応策なども含めて書いてきますね。GOGO♪

1.検索キーワードの意図

まず最初にリスティング広告においてキーワードというものがいかに重要であるのか、マーケティングに影響するのかというところをフォーカスしていきます。

皆さんご存知のとおり、キーワードはユーザーにとって欲しい情報を取りに行くための道具または手段なのです。
ということはこのユーザーが検索したキーワードにはユーザーの意図がふんだんに詰まっています。

今回も宅食サービスを例に出します。

この表のようにメインとサブの組み合わせ次第でユーザーの意図は変わってきます。
比較系のサブワードで1社だけの商品ページの広告を配信したらどうでしょうか。
恐らくユーザーは3秒も経たない間に離脱するでしょう。

なぜなら複数の企業のサービスを比較検討している段階ですので、多くの企業のサービスについて書かれたページを探しているからです。

このようにキーワードというのはユーザーの様々な意図が込められているため、どんなユーザーが来てほしいのか・そのユーザーはどのような意図をもってどんなキーワードで検索するのかまで考えることが重要になってきます。

しかしユーザーの検索意図のパターンは私たちが想像も出来ないほどに豊富です。
たとえ価格を入れずに”宅食サービス”だけで検索をしたユーザーが安いものを求めている場合だってあります。

なので一概にこの検索ワードを使うユーザーの意図はこうだ!と決めつけるのもよくなかったりします。

2.キーワードが社内で重複してしまった

キーワードがいかに重要であるかをお話したところで本題に入っていきます。
まず社内でのキーワードの重複というのは何か。

それは社内の同ジャンルの別サービスにおいての広告配信で同じキーワードを選定して配信しているということです。
これは多くの会社様で起こりうる事象なのではと思います。

ではどういった場合で起こるのか、再び宅食サービスで例えますね。
A社という会社があり、そこでは2つの宅食サービスを展開していたとします。

● 宅食サービス①
 糖尿病や腎臓病予防のための健康に配慮した宅食サービス

● 宅食サービス②
 三ツ星レストランのシェフが監修した味にこだわった宅食サービス

A社は2つのサービスの注文を増やす目的で広告配信を行うことにしました。

各サービスに商品ページがあるので別々で広告配信を行いますが、両サービスとも宅食サービスなのでもちろんキーワードに”宅食サービス”や”宅食 おすすめ”などを設定します。

この状態で配信することを社内でのキーワード重複となります。

ではなぜこの状態が由々しき事態となってしまうのか。
それは重複した状態で配信するとどうなるのか見ていきながら事の重大さに気付いていただければと思います…。

3.重複するとどうなるの?

リスティング広告というのは1つのキーワードに対して表示できる枠が決まっています。上部4つ下部3つですね。

そしてほとんどのユーザーは下部までスクロールすることがないので、どの企業様も上部に表示させることに注力しています。

広告を表示させる仕組みとしては入札単価というものを設定するオークション形式になっているので、競合が多いキーワードでは入札単価が高騰してしまいます。

では社内での重複に話を戻します。
もし社内で同じキーワードに配信をしてしまうとご察しのとおり社内で入札単価を競い合うことになってしまうんですね…。

本来であればそこまで高騰していないキーワードでも、競合が増えることで高騰してしまうなんてことはザラです。
社内で価格競争起こしてるなんて由々しき事態です。由々しき警察も発動します。

 
それなら広告アカウントを統一すればいいんじゃない?との声も聞こえてきますがそれもまた別の問題が発生します。

同じ広告アカウント内で2つのキャンペーンでキーワードを重複して設定した場合、どちらか1つのキャンペーンの広告しか表示されないのです。

なぜなら検索結果には1つの広告アカウントにつき1つの広告しか表示されない仕組みになっているからなんです。

ということは価格競争自体は免れたんじゃない?そんな声が聞こえてきそうですね。
残念ながらそこに関しては同じ広告アカウントでも関係なく競争が発生してしまうので、結局入札単価の高騰につながってしまいます。

それに加えて2つのキャンペーンのうち1つのキャンペーンの広告しか表示されないということは…

A社の宅食サービスの例

“宅食サービス”の検索結果で味にこだわった宅食サービス②の広告が表示されたとします。

今回”宅食サービス”のみで検索したユーザーの中には身体に優しいものを求めているユーザーもいるわけです。

その場合機会損失につながってしまうのです。

もし同じユーザーの検索結果に健康志向の宅食サービス①の広告が表示されていたら…
なんてタラレバ人間になってしまうことも。

そういった問題も起こりかねないのでアカウントを分けても統一しても結局由々しき事態には変わりないのです。
…じゃあもう救いの手は無いってこと!?

そんなことはありません。まだ打つ手はあります。

4.キーワードが重複した時の対処

口酸っぱいほどに言っていますが、キーワードはユーザーの意図。

そこを踏まえたうえで重複をなるべく防ぐには、ペルソナや流入して来てほしいユーザーの像をしっかり練ることが大切になってきます。

ユーザーの意図の深いところまで想定できると、キーワードの幅も広がりロングテールのものを多く設定して重複を防ぐことが出来ます。

A社の宅食サービスの例

健康志向の宅食サービス①の場合
「健康診断で生活習慣病の項目にひっかかってしまった1人暮らしの20代男性」
「1人暮らしをしている祖母に健康的な食事を摂ってもらいたいと考えている30代主婦」
などがペルソナに当てはまりますね。

その場合”宅食サービス 糖尿病 / 低カロリー / 塩分ひかえめ”などのキーワードを設定するとより深い購入意欲のユーザーへ配信できる可能性は高まります。

そういったところで味にこだわった宅食サービス②とキーワード設計を差別化していき重複を避けていくのも手です。

しかしこれでは十分なボリュームが確保できないという課題も出てきます。

そこで社内で行って欲しいことは「話し合いです。

話し合いかよ!?そう思う方もいるかもしれません。
しかしこれは社内であるからこそ出来ること。

一体どんな話し合いをするのかというと、例えば2つのサービスを同じページにまとめる、などはいかがでしょうか。

A社の宅食サービスの例

同じページに宅食サービス①②をまとめても大きな問題は無いはずです。

ページ内に簡単な診断を設けてユーザーの意図別に各サービスに誘導できる仕組みや好みのジャンルを選択できる仕組みなどをページに挿入すれば、キーワードの重複を恐れることなくユーザーの流入を促すことが出来ます。

このように社内だからこそ動かせる範囲も大きいと思うので、広告側だけにこだわらずマーケティング全体を通してどのようなユーザーを求めているか、そのユーザーが注文するにはどのような施策を行えばよいか広い目で考えてみることをお勧めいたします。

今回かなり長くなってしまいました(;´・ω・)
ここまでご覧いただきありがとうございました。

では、はまちでした~